企業証言の第1歩は、原告が被告に対し供述通知書を送達することに始まる。これは通知の前後の文脈を説明すればわかりやすいであろう。
①先ず、原告が被告に訴状を送達する。続いて、被告は原告に答弁や却下申し立てなどを送達する。
②次に「開示」という事実調査の段階に入る。開示(discovery phase)には、大きく分けて2種類ある。文書による開示(つまり質問書や文章等の提出)と証言(供述)である。企業供述というのは、事実調査の一環としている証言録取書の一つである。
通知書の目的は、件名及び供述の日時及び場所を述べ、妥当な証言項目を明示することにある。
例えば、A社が「人種差別的不当解雇」を主張する訴訟に巻き込まれたとしよう。この場合、次のような通知項目が考えられる。「被告企業は、2005年及び2006年に、合計何人解雇したか。」「そのうち東洋人、白人及び黒人をそれぞれ何人解雇したか。」「不当解雇と訴えられたことが何回あったか。」などである。
このように、通知書に記載される項目は、クレーム内容または防御内容との関連性を明示すべきであり、「企業証言を取る」などの漠然とした通知は、供述項目が明白でないことから無効とみなされる場合がある。また、人種差別的不当解雇を主張しているケースで「企業の北米事業部における売り上げ」などという項目は、明らかにクレームとの関連性が妥当でないため、異議の申立ができる。項目内容の幅や期間があまりに広範囲に及ぶ場合にも異議を申し立てることができる。
通知に対する異議申立方法は2通りある。1つは事前に書面による通知却下もしくは項目限定の申立で、もう1つは供述の際の口頭による異議の申立である。
ここで供述に対する異議申し立てについて、特に注意して頂きたい点が2つある。
1つは供述日までに書面又は口頭にて異議申立をしなかった場合、その異議申立の権利は放棄したものとされるということだ。
もう1つは明示された供述項目に対して事前に異議申立をしなかった場合、証人が準備不足により「知らない」「分からない」などと答えると、企業が罰せられる可能性があるということである。つまり、供述項目の明示という原告の義務に対し、企業側では、その明示項目に関して証言者を「準備」する義務があるのだ。
2007年10月30日火曜日
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
②供述通知と異議申立
投稿者
リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
10/30/2007 10:45:00 午前
ラベル: 企業供述
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