Q。「今年は12月28日から日本へ行ってみたい。その前にカード更新手続きした方が良いでしょうか。」
A。今のうち更新するように勧める。新しいグリーン・カードは出発日までに届く訳ないけれど、申請手続きでパスポートや古いグリーン・カードを取られることもない。新しいグリーン・カードを入手するまで古いグリーン・カード、更新した証明とパスポートを揃っていけば入国に差し支えないはずだ。もちろん、犯罪などを犯している方は別だ。更新した証明はWEBで申請すれば瞬間的に印刷できる。入国する際に、古いカードの角が切られても気にする必要ない。
2007年11月28日水曜日
近いうち里帰りしたい米国永住日本人はいつ申請したらいい?
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/28/2007 03:55:00 午前
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ラベル: 無期限グリーン・カードの撤廃?
2007年11月27日火曜日
無期限グリーン・カードの撤廃?
1979年から1989年8月までの10年間、アメリカの移民局は失効日(expiration date)が書かれていないグリーン・カード(無期限グリーン・カード)を約75万人に発行した。2007年8月22日には、移民局がその無期限グリーン・カードを廃止する提案をした。2008年の春ごろにその提案が法律になると思われる。
しかし、仮に現時点でまだ義務付けられていなくても、無期限グリーン・カードが無効になる前に、更新をした方がいいと思われる。なぜなら、提案法が決定した時点で、75万人の更新者が殺到すると思われるからだ。すると新カードの発行に伴うFBIの調査なども遅れると予想される。つまり、今の内に更新しておいた方が手続きが比較的短くスムーズに行く可能性が高いからである。現時点では、新カードの手続きに要する期間は約6ヶ月間と言われている。
新カードの手続きに関しては、移民局のWEBSITE http://www.uscis.gov/ にアクセスして「I-90」とその説明を参照。http://www.uscis.gov/files/form/i-90.pdf
http://www.uscis.gov/files/form/i-90instr.pdf
新しいカードが発行される前に出国予定があれば、同 http://www.uscis.gov/ で「INFOPASS」にクリックして臨時(6ヶ月有効)永住証明をパスポートにスタンプをしてもらえる。そうすれば、再入国の際に、グリーンカードがなくても、永住権を証明することができる。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/27/2007 09:11:00 午前
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ラベル: 無期限グリーン・カードの撤廃?
2007年11月5日月曜日
ロスト・イン・トランスレーション
訴訟における通訳の重要性
訴訟における通訳の重要性
「ロスト・イン・トランスレーション」をご存知であろうか (ビル・マーレイ主演、ソフィア・コッポラ監督)。来日した映画スター(マーレイ)がサントリーウイスキーの宣伝を撮影するシーンである。通訳を介して日本人監督とやり取りする場面は面白い。 通訳は、長々と語った監督の説明を一言の英語で済まそうとする。真剣に理解しようとするマーレイは、「あれ? 監督はもっと長くしゃべっていたように思ったけど…」と困惑する。
CMディレクター: ミスター・ボブさん、あなたは書斎にゆっくりと座っています。そしてテ-ブルの上にはサントリーウィスキーがあります。わかりますね! 感情を込めて。ゆっくりとカメラを見て。やさしく。そして、あなたの古い友達に会うように。言ってください、カサブランカのボギーのように。
「君の瞳に乾杯。サントリータイム」
日本人通訳: Um, he wants you to turn, look in the camera. Okay? (彼は、振り向いてカメラを見ていただきたいそうです。よろしいでしょうか?)
Bob: That's all he said? (彼が言ったのはそれだけ?)
日本人通訳: Yes. Turn to camera. (そうです。カメラの方を向いてください)
Bob: All right. Does he want me to turn from the right or turn from the left? (そうですか。右からと左から、どちらから振り向けば?)
日本人通訳: あのー、彼の方はもう準備ができています。それで、あの、スタートがかかったときに、カメラの方に振り向くときに、左から振り向けばいいのか、右から振り向けばいいのか、そのへんのところはいかがなさいましょうか? というところなんですけれども。
CMディレクター: どっちだっていいんだよ、そんなの! 関係ないんだから、そんなものは! 時間がないんだよ。 ボブさん。 ね、だからもう早く、テンションあげて。カメラ見て。カメラ目線で。ゆっくりと。ね、パッションだよ。目にはパッション。わかった?
日本人通訳: Right side, and uh, with intensity. Okay? (右からです。集中して。よろしいですか?)
Bob: Is that everything? I mean it seems like he said quite a bit more than that. (それだけ? 彼はもっといろいろ言ってるように思ったんだけど)
CMディレクター: あなたの言ってることはウィスキーのことだけじゃないんだから。わかる? 古い友達に会うように。やさしく、Gentlyにね。そして心からわき上がってくるテンション。それを忘れちゃダメだよ。
日本人通訳: Like an old friend, and into the camera. (古い友達のように、カメラを見てください)
Bob: OK.
日本人がアメリカの法廷で証言する場合、母国語である日本語での証言が認められているため、通訳を介しての証言となるのだが、ここで気をつけなければならないのは、「尋問(英語)→和訳→回答(日本語)→英訳」の過程で生じる”ズレ”である。全く違った文化背景から成り立つ2つの言語間では、 当然のように起きる問題だ。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/05/2007 11:00:00 午前
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ラベル: ロスト・イン・トランスレーション
依頼人と弁護士のコミュニケーション手段
時代の流れとともに年々改良される交信手段。
言うまでもないが、どの時代においても弁護人・依頼人間のコミュニケーションには、最新の交信手段が用いられてきた。
- 1840年ごろ・電信が広がる。
- 1877年ごろ・電話の発明。
- 1902年ごろ・太平洋に電信線が渡り、地球を一周。
- 1935年ごろ・「テレックス」が広く使われる。
- 1990年ごろ・携帯電話が広く普及し始める。
- 1995年ごろ・電子メールが広く普及。
- 2000年ごろ・ブラックベーリーの普及。
- 2005年ごろ・VOIPの普及。
弁護人及び依頼人は、新交信技術誕生の度、情報漏えい等その安全性を懸念し導入に難色を示すものだが、時代の流れには逆らえず、いつのまにか使用するようになっている。
交信手段は将来どのように変わっていくのであろうか。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/05/2007 01:11:00 午前
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ラベル: コミュニケーション手段
2007年11月2日金曜日
ワンポイント・アドバイス
供述がビデオに録画される場合
証人の供述がビデオ録画されると事前通知を受けた際には、事前に下記の通り手配することをお勧めする。
- 個別モニターを手配し、定期的に映像を確認。
- 必要であれば補助的照明を要求する。下向きの明かりの場合、目が陰になるケースが多い。
- 音質を守る為、撮影業者にヘッドホンの使用を要求。
- 証言者の背景は1メートルくらい離れた所に無地で無難な布を使う。
- 目や顔が陰になっていないことを確認。
- 顔の映りがぼけていない ことを確認。
- 証言者の髪が薄い場合、光らないよう注意。
- 真正面より少しずらした角度から撮影。
- 回転椅子やロッキング・チェアを使わない。
- 趣味よく鼻先に老眼鏡を乗せる人もいるが止めた方がいい。
- 手で顔を触ったりしない。
- 以前は証言者にストイックに、質問されたことしか言わない。単語1つで答えられるのであれば、それ以上しゃべってはいけないと述べたが、ビデオの場合、それは回避的に見えるので十分に答えているように見せる必要がある。(例えば、質問を言い換えるなど。)
- 飲み物などはビデオに写らない場所におく。
- 水は控えめに飲む(ボトルではなくグラスから)。
- 証言者は弁護人を見て許可や指導を求めてはいけない。
男性証言者の場合の注意
- 青いシャツ。
- 目立つ宝石を止める。
女性証言者の場合の注意
- 大きい模様のドレスを避ける。
- 飾りは品よく。
- 保守的な物を選ぶ。
- ボディコンシャス、露出度の高いものは避ける。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/02/2007 01:40:00 午後
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ラベル: 供述が録画される場合
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
最終回
以上で企業供述の大筋は分かっていただけたと思う。言うまでもなく、個々のケースにより臨機応変に対応することが必要であるが、少なくとも上記の点を押えておけば、今後の企業供述にあたり、心構えができるのではないだろうか。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/02/2007 12:30:00 午後
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
⑥本番!反対尋問に崩れずしっかりと事実を供述する方法
質問を良く聞く。自分の知識で返事ができる否か。(供述に備えて習得した知識も含め)聞かれていることについて覚えているか否か。返事をする前に間を置き、弁護人に異議を唱える時間を与える。正直に答える。答え終わったらそれ以上しゃべらない。
例えば、「御社は栃木県にいくつ工場があるか」と尋問された場合には、「一つある」と答える。「一つあるが、同業他社に売却される噂ある。」とか「一つあるが、そこでは何も製造してない。」とか「一つあるが、最近工場長が解雇されたようだ」など、聞かれていないことまで答えない。
また、仮定的な尋問には注意が必要だ。例えば、「もしあなたの会社の製品を使用し、事故に遭い死亡した人が一人でもいたら、その製品をリコールするか?」のような仮定的な尋問は、事件を取り巻く様々な要因によって回答が多様化し、正確には答えられないため、弁護人が異議を唱える可能性が高い。(製品と事故には因果関係があるか、使用者が意図的に死亡したか、注意書きを無視して危険な使い方をしたかなどによって回答が変わる。)
こちらが答え終わった後、よく相手側弁護人がジーッと証言者を見つめ何も言わないことがある。これは心理作戦なので注意が必要だ。沈黙が続くと不快に感じ、不必要に証言を付け足してしまう証人が多い。
記憶が曖昧で答えられない場合に、何か言わないと悪いと思い、憶測的な答えを出すということがよくある。憶測は根拠のある推定とは違う。例えば、「あなたの目の前にある机の横幅は何センチ位か」という質問を受けたとしよう。これは、証言者の目の前に机があるため、根拠のある推定が可能と考えられる。しかし相手側弁護士が「私の事務所にある机の横幅は何センチ位か」と質問した場合、証人がその机を見たことがない限りは憶測でしか答えられないため、この回答は根拠のないもので不適切な回答と言える。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/02/2007 12:00:00 午後
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
⑤企業弁護人との供述準備及び模擬尋問
供述者は企業側弁護人と以下のような内容について準備する。
まずは、段取りの説明。日時、場所、参加者とその役割(弁護人、通訳、速記者等)、相手側の素性などを説明する。ビデオ供述の場合には、表情やしぐさなど、外見的なことも詳しくアドバイスする。
次に、証言方法に関する基本的なアドバイスをする(正直に、憶測を言わないなど)。また、口頭異議の意味や目的などについても説明する。
そして、通知項目を逐次読み直し、供述者の知識を確認しながら、問題点や書類などをチェックする。
最後に模擬尋問を行い、相手側の高圧的な質疑等に対し、感情的になったり体勢を崩したりしないよう備える。
供述は「真実であり真実以外の何ものでもない」と宣誓することに始まり、宣誓してから供述が終わるまでの間、嘘をつけば偽証となり証人が罰せられたり、証言に矛盾点があれば弾劾される可能性がある。これを避けるため、充分な準備期間を取り模擬尋問をして本番に備える。
前述1で挙げた衝突事故の際、自動車のエアバッグが開かず怪我をしたBさんが自動車メーカーD社を訴えた例を再び見てみよう。D社の供述者が数年前に行なった別件の供述で、「当該車種を使ったエアバッグの実験はしていません。」と証言したにもかかわらず、今回の供述で「当該車種を使って実験しました。」と言ったとする。証言が変わったことに対し、Bさんの弁護人は、D社の供述の信憑性を問うため、後の裁判の際次のように弾劾する。「先程陪審員の前で、真実であり真実以外の何物でもないと宣誓したことを、もはやお忘れではありませんよね。もう一度確認しますが、エアバッグの実験はしていませんね。」もしここでD社証言者がこれを認めなければ、Bさんの弁護人は次のように反対尋問を行い、さらに証言の信憑性について追及する。
「2003年7月10日に、カリフォルニア州トーランス市マリオットホテル内会議室で供述したことを覚えていますね。今、私が手にしている紙は、その時の御社の証言記録です。もう一度ここで目を通しますか? その時も御社の証言者は今日と同じように、“真実であり真実以外の何物でもない”と宣誓しており、その時の証言は公式裁判速記者によって、全てここに記録されています。あなたは証言記録内容を訂正する機会があったにも関わらず、訂正しませんでしたね。このときの供述では、“当該車種を使ったエアバッグの実験はしていません。”と証言されています。しかし、これは先程おっしゃったことと矛盾しています。つまりあなたは嘘の証言をしたということです。」これに対し、被告側弁護人は反対尋問によって損なわれた証人の信頼を回復するため、反対尋問で取上げられた事項に関する再直接尋問を行う。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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11/02/2007 11:00:00 午前
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
④供述者の事前準備
まず、企業側弁護人が当該事件の背景も含め、どのような点が追及されるのか、どのような書類について質問されるのかといったことを、企業クライアントに具体的に解説する。
それに対しクライアント側では、弁護人と相談しながら、上記2で述べたように供述者候補を検討し、必要資料を収集する。(多くの場合開示済みの書類を参照) 供述者が決定したら、供述者を通常の職務から解放し、準備に専念できるよう企業側が取り計らう必要がある。
また、関係者から話を聞く場合には、法務部を通した方が、時間的に効率よく準備を進めることができる。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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11/02/2007 10:00:00 午前
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
③供述者の選択
企業の代理証言ということで、幹部や管理職を選任すべきと思われがちであるが、決してそのようなことはない。会社幹部が必ずしも事情に精通し、的確に供述できるとは限らないからである。また幹部を供述者とした場合、不要に貴重な時間を費やすだけでなく、マスコミなどの注目を必要以上に浴びてしまう恐れさえある。
したがって、技術的な証言の場合は設計者を、金銭的な項目なら経理担当者をといったように、通知の項目に精通している者を供述者として選任することとなる。また場合によっては、項目の内容ごとにそれぞれ二人以上の供述者を選任することもある。
しかし、通知項目について精通している者がいない、もしくはいたとしても何らかの理由で不適切だと思われる場合には、企業の関連書類等を考察したり、当時の事情に詳しい人物から話を聞くなどして、通知内容に関する必要な知識を取得し、企業を代表する証言が的確に出来るよう準備を整えることになる。
また、稀なことではあるが、従業員の中に通知項目に精通し、尚且つ的確な証言ができる者がいない場合、専門家等の外部者を選任し、供述できるよう準備することもある。供述者選任の基準はおよそ次の通りである。まずは、通知項目を熟知し詳細に渡り証言できる人物、追及されても動じない者、率直ながらも必要以上に喋らない者、そして、細かいことだが、癖が少なく愛想や見た目が悪くない人物を選任する。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
11/02/2007 09:00:00 午前
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ラベル: 企業供述
2007年10月30日火曜日
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
②供述通知と異議申立
企業証言の第1歩は、原告が被告に対し供述通知書を送達することに始まる。これは通知の前後の文脈を説明すればわかりやすいであろう。
①先ず、原告が被告に訴状を送達する。続いて、被告は原告に答弁や却下申し立てなどを送達する。
②次に「開示」という事実調査の段階に入る。開示(discovery phase)には、大きく分けて2種類ある。文書による開示(つまり質問書や文章等の提出)と証言(供述)である。企業供述というのは、事実調査の一環としている証言録取書の一つである。
通知書の目的は、件名及び供述の日時及び場所を述べ、妥当な証言項目を明示することにある。
例えば、A社が「人種差別的不当解雇」を主張する訴訟に巻き込まれたとしよう。この場合、次のような通知項目が考えられる。「被告企業は、2005年及び2006年に、合計何人解雇したか。」「そのうち東洋人、白人及び黒人をそれぞれ何人解雇したか。」「不当解雇と訴えられたことが何回あったか。」などである。
このように、通知書に記載される項目は、クレーム内容または防御内容との関連性を明示すべきであり、「企業証言を取る」などの漠然とした通知は、供述項目が明白でないことから無効とみなされる場合がある。また、人種差別的不当解雇を主張しているケースで「企業の北米事業部における売り上げ」などという項目は、明らかにクレームとの関連性が妥当でないため、異議の申立ができる。項目内容の幅や期間があまりに広範囲に及ぶ場合にも異議を申し立てることができる。
通知に対する異議申立方法は2通りある。1つは事前に書面による通知却下もしくは項目限定の申立で、もう1つは供述の際の口頭による異議の申立である。
ここで供述に対する異議申し立てについて、特に注意して頂きたい点が2つある。
1つは供述日までに書面又は口頭にて異議申立をしなかった場合、その異議申立の権利は放棄したものとされるということだ。
もう1つは明示された供述項目に対して事前に異議申立をしなかった場合、証人が準備不足により「知らない」「分からない」などと答えると、企業が罰せられる可能性があるということである。つまり、供述項目の明示という原告の義務に対し、企業側では、その明示項目に関して証言者を「準備」する義務があるのだ。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
10/30/2007 10:45:00 午前
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス 「企業供述」
①一般的供述と企業供述の違い
訴訟における「供述」(英語で「deposition」以下「デポ」とも略す)とは、宣誓の下、事件に関する証言をすることで、後の裁判及び審理において「証拠」となるものである。このデポの一種として「企業供述」がある。
一般的なデポとは、事件の当事者もしくは目撃者などが自ら知覚・記憶した事実を述べることで、証拠の一環となるものである。例えば、Aさんが赤信号を無視して交差点に入り、Bさんの運転する車に衝突したとしよう。怪我を負ったBさんがAさんに対して訴訟を起こし、Bさんの弁護人は、警察の事故報告書に記載されていた目撃者Cさんの供述を取ることにした。供述の際、Cさんは自分の見聞きしたことのみに関し真実を答える義務があるため、「Aさんは赤信号を無視して交差点に進入しましたね?」との質問に対し、もしAさんが赤信号を無視して交差点に入り、Bさんの車に衝突したのを見ていたのであれば、「はい。」と答えることになる。しかし、衝突現場は見たが、信号が青だったのか赤だったのかまでは覚えていないのであれば、「わかりません。」と答えることとなる。
これに対し「企業供述」は、企業が訴訟当事者として証言する権利又は義務が生じた場合に行われ、「企業としての知識」(corporate knowledge)を証言するものである。例えば、前述の例で、今度はBさんが衝突事故の際に運転していた自動車の設計欠陥で、エアバッグが開かなかったため怪我をしたという主張で、自動車メーカーD社に訴訟を起こしたとしよう。Bさんの弁護人はD社に対し、当該自動車のエアバッグ設計に関して企業供述をとることとなる。D社はエアバッグ設計に関し、正確かつ詳細に渡り証言できる個人を企業代表の供述者として選任する義務があり、選任された供述者は直接自分で見聞きした知識に留まらず、企業としての知識で供述しなければならない。つまり、Bさんの弁護人が「エアバッグの設計・製造段階で、どのようなテストを行いましたか?」と質問した場合、D社の供述者は、たとえ個人的にどのようなテストが行われたのかを知らなかったとしても、供述前に事件に関わる知識を習得し、これに対し答える義務が生じる。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/30/2007 10:00:00 午前
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ラベル: 企業供述
ワンポイント・アドバイス
「企業供述」 実践編 序文
アメリカでビジネスを行う上で避けて通ることのできない訴訟。しかし、米国の法律や文化に馴染みが薄い上、言語の壁のある日系企業にとって、法廷での尋問は耐え難い緊張である。ここに、訴訟において特に重要な位置を占め、その結果に大きな影響を与え得る「企業供述・証言」(corporate witness deposition)について、匿名で実例を挙げながら6段階にまとめてみた。
①一般的供述と企業供述の違い
②供述通知と異議申立
③供述者の選択
④供述者の事前準備
⑤供述準備及び模擬尋問
⑥本番!反対尋問に崩れずしっかりと事実を供述する方法 。
この記事が少しでも訴訟の際の不安感を取り除き、緊張感を和らげる手助けとなることを望む。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/30/2007 09:00:00 午前
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2007年10月19日金曜日
経営幹部証言の対処法
企業が訴訟事件の当事者になった場合、経営幹部の証言が要求されることがある。(証言・供述についてはワンポイントアドバイス「企業供述」(実践編)参照)
幹部が証言するとはいったいどのような意味があるのか。
幹部は企業の顔であるため、当然のことながらその一挙手一投足が注目され、マスコミに取り上げられる可能性が高い。したがってその弁護人は幹部証言に際し、慎重に対応する必要がある。例えば、証言の理由が明らかでなければ、幹部のスケジュールを理由に証言の要求に応じないこともできるし、代理証言者を立てることもできる。相手側がこれに応じなければ、証言通知の効力の破棄申し立てをすることもできるのだ。
添付の記事幹部証言の対処法(ジル・ゴルドスミス著)は、幹部証言に関する対処法を例を挙げながら提起する。
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10/19/2007 11:45:00 午前
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2007年10月18日木曜日
ワン・ポイント・アドバイス
「賢い」訴訟管理 最終回
以上、「賢い」訴訟管理のための基本8ヶ条を簡単に述べてきたが、もちろんケース・バイ・ケースで対応していかなければならないこともあり、これが必ずしも望ましい結果を保証するとは限らない。しかし訴訟管理は先手必勝。冷静かつ計画的に対応してこそ、効果的な訴訟管理が望めるのである。
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10/18/2007 09:00:00 午後
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「賢い」訴訟管理 その9
8. 仲裁人選びは慎重に
示談における仲裁人の役割は思いのほか大きい。有能な仲裁人により早期に事件を解決すれば、その分の訴訟費用を節減できるが、経験の浅い仲裁人やあまり有能でない仲裁人に事件を委ねると、解決への期間が長引くだけでなく、逃げ場だらけの示談になる恐れがある。
例えば、多くの企業はクレーム内容及び示談金もしくは示談事実の存在そのものを公表しないよう希望するものだが、これを示談条件として盛り込むには示談成立前にその旨明示することが求められている。 しかし、このような基本的なことでさえやり残す新米仲裁人もいるのだ。また、示談の最終段階においてその内容をより有利なものにするためこちらの手の内を明かすことがあるが、仲裁人の裁量不足により最後の最後で示談が成立せず、裁判へもつれ込むんだ場合、これにより立場が弱くなることも考えられる。
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10/18/2007 08:30:00 午後
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「賢い」訴訟管理 その8
7. 相手側弁護人とよい関係を築け
事件の当事者は、相手側の当事者や弁護人に対し怒気を持つ傾向がある。しかし「短気は損気」と言われるとおり、訴訟は冷静に戦わなければならない。敵とは言え、相手側の弁護人とよい関係を築けば、早期解決へ向けた情報を提供してくれることもあり、無駄な費用の発生を抑えられるが、その関係いかんによっては、示談したくても示談できず裁判にもつれこんだり、裁判が長引くこともあるのだ。
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10/18/2007 08:14:00 午後
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「賢い」訴訟管理 その7
6. とぼけ作戦?
企業が当事者であり共同被告人または共同原告人がいる場合、供述や示談会議の場における指導権を共同被告人または共同原告人に委ねることにより、経費節減になるケースがある。つまり信頼のおける共同弁護人がいる場合、その共同被告人(または共同原告人)に指導権を一任することで、自社の準備期間の短縮や裁判所等に出向く移動費用等の節減を図ることができるということだ。また、共同被告人の中の一社となった場合、訴訟の中心的存在になると示談金の割合を高く要求される傾向があるため、その存在をなるべく目立たないものにし、経費および示談金を節減できることがある。ただし、訴訟の指導権をある程度譲ることになるので、この作戦が危険を伴うことは否めず、リスクを負うだけの価値があるかどうかの見極めが非常に重要なカギとなる。よって、この作戦を採用するか否かの決定は、弁護人とよく相談の上判断すべきである。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/18/2007 04:30:00 午後
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「賢い」訴訟管理 その6
5. 知識は力、定期報告を義務付けよ
電話月報、四半期ごとの簡単な現状報告書など、定期的なコミュニケーションを図ることによって、行き違いが生じる可能性が低くなると同時に、企業・弁護人双方にとって事件の管理が容易になる。
企業と弁護人の関係は、企業がコミュニケーションを取りたい時に容易に取れなければ、訴訟が企業の思うように進むはずがないのである。
その7へ
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/18/2007 04:29:00 午後
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「賢い」訴訟管理 その5
4. 弁護人の選択
弁護人は訴訟術、司法界及びクライアント企業に精通している者を起用したい。
訴訟術に長ける弁護人の起用は、早期事件解決を促しコスト軽減となる。
司法界に顔の利く弁護人の起用は、無駄な動きを最低限に抑える。
クライアント企業の方針、事業部、市場における立場、同業他社との関係、提供している製品やサービス、顧客情報、社史や社風などに精通する弁護人の起用は、企業背景に関する学習期間の短縮、初歩的なミスの回避、効率的な防御を促す。
よって、複数の訴訟に共通点がある場合、事件ごとに新たに弁護人を起用しその都度同じラーニング・プロセスを辿るよりも、馴染みの弁護人と付き合った方が「賢い」弁護につながるのである。
その6へ
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/18/2007 04:28:00 午後
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2007年10月17日水曜日
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「賢い」訴訟管理 その4
3. 計画・予算
戦争と同様、訴訟は「制御不能」である。
つまり、計画を立ててはいても、相手側の出方次第で必ず予定外のことが起こるということだ。(孫子の計篇「戦争を決断する以前に考慮すべき事柄」参照) そしてそれに対し、いかに臨機応変に対応できるかということが勝負を分けるのだ。(孫子の九変篇「戦局の変化に臨機応変に対応する」参照)
しかし完璧に「制御」ができないとしても、ある程度計画はできるのである。事前に計画を立て予算を組むか否かで、最終的な費用に差が生じる。なぜなら弁護人はクライアントからの特別許可がない限り、予算項目に掲げられていない費用を請求することはできないからだ。
訴訟費用は、ケースごと、年度ごと、月ごと、科目ごとに設定することが望ましい。事前に予算を立てたからといってその予算内で納まるとは限らないが、予算がある以上、請求書を開けてみてビックリということはないであろう。
その5へ
投稿者
リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/17/2007 04:12:00 午後
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ラベル: 賢い訴訟管理
2007年10月16日火曜日
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「賢い」訴訟管理 その3
2. 三ヶ月早期事件評価制度を導入せよ
「Settled on the courthouse steps」(裁判所の入り口で示談)とよく言われるように、示談にすべきケースを裁判に持ち込み、訴訟費用を費やすことほど無駄なことはない。多くの場合、努力さえすれば、決め手となる重要な情報の9割は、事件発生後90日以内に収集することができる。言い換えれば、半年、1年、…とかけたところで、収集できる情報量に大差はないのである。したがって、示談にすべきか否かの検討を含め3ヶ月以内に決着をつけることで、無駄な出費を押さえ効率よく事件を解決することができるのだ。また、早期決定により事前に予算の報告が可能となり、社内での理解が深まるとともに、弁護人も迅速な対応ができる。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
10/16/2007 09:11:00 午後
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ワン・ポイント・アドバイス
「賢い」訴訟管理 その2
1. 訴訟に発展する前に示談へ持ち込め
相手側と非公式に意見、情報、書面などを交換をすることにより、訴訟に発展する前の早期段階で示談へ持ち込めるケースは珍しくない。そしてこの早期解決の決め手は、なんと言っても早期情報収集である。訴訟内容そのものに関する情報はもちろん、それを取り巻く環境に関する情報収集も欠かせない。
例えば、アメリカには「司法地獄」と呼ばれる不公平で偏った法廷手続き及び法の適用を組織的に行う裁判管轄があり、そこでは訴訟内容に関わらず常に地元の原告に有利な判決が下されたり、特定の人種に有利な判決が下されるといった不条理がまかり通っている。そしてこれを利用して自分に有利になる裁判管轄で訴訟を起こす人たちがいるため、示談金の査定に裁判管轄を加味する必要性がでてくる場合があるのだ。また、弁護人及び当事者の経済状況、弁護人の専門知識、経験、及び交際範囲等、相手側の性質が示談内容に影響する場合もある。これらの情報を早いうちに収集することにより、早期示談の実現を図り無駄な訴訟費用の出費が抑えられるのである。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
10/16/2007 04:10:00 午後
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ワン・ポイント・アドバイス
「賢い」訴訟管理 その1
莫大な費用を要する頭痛の種、企業訴訟。そしてこの災難が青天の霹靂のごとく、ある日突然襲って来ることがある。現代アメリカ社会において訴訟管理はビジネスの一環。予算も作戦も立てず常に後手に回っていては効率よい訴訟管理は望めない。以下、訴訟管理に対するシンプル且つ「賢い」積極的なアプローチを8回に分け、このブログで紹介しよう。
- 訴訟に発展する前に示談へ持ち込め
- 三ヶ月早期事件評価制度を導入せよ
- 計画・予算
- 弁護人の選択
- 知識は力、定期報告を義務付けよ
- とぼけ作戦?
- 相手側弁護人とよい関係を築け
- 仲裁人選びは慎重に
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/16/2007 09:48:00 午前
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2007年10月15日月曜日
公正な裁判へ向けた動き-3 ATLA
前々回(公正な裁判へ向けた動き-1)で、司法地獄に照明を当てることにより、腐敗した民事訴訟制度に対する改善の見込みがあると述べたが、このように不法行為の改善を求める団体がある一方、原告有利な裁判管轄を育てようとする団体もある。「もぐら叩き」のようなものかも知れない。
ATRAとよく似た名称の団体にATLA(The Association of Trial Lawyers in America)があるが、これは欠陥商品等による負傷事故などで企業を相手取った訴訟において原告側の代理人を努める弁護士団体であり、ATRAとは正反対の立場に立つ。ATLAは56,000人のメンバーを抱える弁護士集団であり、強力なロビイスト(政治的に影響を及ぼそうとして、議員・官僚・政党などに働きかける院外活動家)としても勢力を振るい、Tort Reform(不法行為法改革)に反対する。
昨年”Trial Lawyer” という名前の持つイメージの悪さから、その名称をAAJ(American Association for Justice)に変更した。
一般的に、弁護士及び弁護士団体(ABA等)は選挙の際、多額の寄付をするものであるが、その中でも、ATLAの民主党に対する寄付額には著しいものがある。したがって、民主党が指導権を握るようになると、「不法行為法改革」への希望が絶たれる可能性が高く、ATRA(アメリカ訴訟法改革委員会)の地道な努力により徐々に開けてきた公正な裁判への道が、逆戻りする可能性が懸念される。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/15/2007 10:34:00 午後
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公正な裁判へ向けた動き-2 ATRA
ATRA(The American Tort Reform Association:アメリカ訴訟法改革委員会)は不法行為関連訴訟における悪習慣の改善をスローガンに1986年創設され、現在企業自治体等を含む300以上のメンバーを抱える。
その活動の成果の1つに、2005年の集団訴訟改革法(Class Action Fairness Act: CAFA)制定があり、これにより州裁判所から連邦裁判所への裁判管轄の変更が認められるようになった。つまり、管轄州外の企業が司法地獄と呼ばれる管轄(州裁判所)で提訴された場合、その裁判管轄を州裁判所から連邦裁判所に移すことが可能となったのだ。同法制定により司法地獄内で行われてきた州外の被告に対する訴訟が減少してきている。
しかし、この救いの神とも呼べる集団訴訟改革法であるが、適用されるのは州外の被告に対してであって、その州内の企業に対して訴訟が起きたときにはまず適用されない。州内の企業に対して裁判管轄の変更が認められるのは、3分の2以上の原告が州外者であるときだけだ。 つまり企業の所在地の裁判管轄が司法地獄であり、そこで集団訴訟を起こされた場合、裁判管轄の変更が認められることはなく、原告側に有利な裁判官の下、不公平な裁判を争わなくてはならないのだ。
多くの企業にとって訴訟はいずれ直面しなければならない現実である。アメリカ国内に新事業部等設立の際は、その地域の訴訟状況を検討するに越したことはない。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/15/2007 10:33:00 午後
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2007年10月14日日曜日
公正な裁判へ向けた動き-1 司法地獄
司法地獄(Judicial Hellholes)という言葉をご存知だろうか?
これは民事訴訟において不公平で偏った法廷手続き及び法の適用を組織的に行う裁判管轄を指し、*ATRA(アメリカ訴訟法改革委員会)の調べによると、2006年度は全米で6ヶ所の裁判管轄が訴訟地獄として指摘されている。
この司法地獄と呼ばれる管轄内では、訴訟内容に関わらず常に原告、もしくは地元住民に有利な判決が下されるといった不条理がまかり通っている。そしてこれを利用して、自分に有利になるような判決が下る可能性のある管轄で訴訟を起こす人たちがいるのだ。 例えば、カリフォルニアの住民A氏が同州内で製造販売された製品を使用し怪我をしたとして、製造元の会社に対し訴訟を起こすとしよう。A氏は事故の起こった場所、A氏が住んでいる場所もしくは製造会社のあるカリフォルニアではなく、原告に有利な判決が下る傾向のあるイリノイ州のマジソン郡といった、事件とは何の縁もゆかりもない場所で訴訟を起こすことができるのだ。このように原告が自分に有利になるよう、全く別の場所で起こった事件に関する訴訟を司法地獄と呼ばれる管轄で起こすことを「訴訟観光(litigation tourism)」という。
しかし、ATRA(アメリカ訴訟法改革委員会)が、「××州の××裁判所は不当に原告有利な判決を下している。」など、司法地獄に関する報告書の中で、具体的に裁判所名、裁判内容を指摘するようになって以来、裁判官の態度に変化が現れてきている。例えば、司法地獄の最高峰として悪名高きイリノイ州マジソン郡でも、過去2年間に渡るイリノイ司法部の努力により、少しずつ公正な裁判への道が開けてきており、ATRAの地道な活動により、こうした一部の「腐敗した」民事訴訟制度が改善されつつある。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/14/2007 10:33:00 午後
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2007年10月13日土曜日
先走りする弁護士
ミネソタ州ミネアポリスで、ミシシッピー川に架かるハイウェイが崩落した。
事故が起きたのは2007年8月1日夕方ラッシュ時、ミネソタ州で最も交通量の多い8車線からなる主要幹線道路は一瞬にして崩壊し、数十台もの車が崩れ去った橋とともにミシシッピー川に水没した。
事故後まだ日が浅く、行方不明者の捜索及び崩れた橋の撤去作業が難航する中、ミネソタ州のSchwebel、Goetz&Sieben法律事務所は事故現場への立ち入り許可の申し立てを連邦裁判所に起こした。
連邦裁判所は8月15日、これを却下。
「現場への立ち入り許可はその現場を取り仕切る管轄(今回の場合、国家運輸安全委員会)に申請するのが本来の形であり、連邦裁判所はこれに関しその権威を行使すべきではない。」というのがその理由だ。
この連邦裁判所の下した判断は極めて妥当であったと言える。
事故直後、被害者及びその家族に対し数多くの弁護士事務所から連絡が入ったそうであるが、当事者が訴訟を起こそうと思う以前に弁護士の方から被害者に働きかけるケースは珍しくない。(このような弁護士を俗に*Ambulance Chaser(救急車を追いかける人)と呼ぶ。- 救急車を追いかけ、その被害者の代理人として損害賠償訴訟を起こし、成功報酬を要求することから。)
*Schwebel法律事務所がそうであるというわけではない。-念のため。
今事件に関しても、現場の救済作業もまだ終わらぬ事故直後から、訴訟の話が各紙面を賑わせているところは、さすが訴訟大国アメリカだ。
この法律事務所がどのような事情で早急に現場検証をする必要性があったのかは定かではないが、いずれにせよ、訴訟事件自体が起こっていない時点で、現場責任者を無視し連邦裁判所に立ち入り許可を申請するのは、弁護士の権威主義の現れではなかろうか。
参照
橋崩落事故現場立ち入り許可を求める申し立て
橋崩落事故の記事
http://www.startribune.com/10204/story/1343476.html
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リチャード・ヤング (Richard Young)
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10/13/2007 11:15:00 午前
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2007年10月12日金曜日
ハムラビ法典に見る製造物責任法
責任に関する法律の原点とは…
「目には目を、歯には歯を」というハムラビ法典に由来する一見物騒な響きのこの言葉は、一般的に「やられたらやり返す」という意味に捉えられがちであるが、これは過剰な報復を禁じ、犯した罪と同等の罰を以ってその罪を償うというものであり、不法行為を明らかにし、それに対し罰を与えるという点において、現代の司法制度の原点と言える。
また、ハムラビ法典には「医者が手術に失敗したらその腕を切る」という現代でいう医療過誤を意味する法律まであった。現在の医者の甘い感覚で考えるとかなり厳しい罰と感じるであろう。
さらに、ハムラビ法典は以下の通り、いわゆる「製造物責任法」まで及ぶ法律もある。
"If a builder has built a house for a man and his work is not strong, and if the house he has built falls in and kills the householder, that builder shall be slain."
「大工が頑丈な家を建てなかったために、その家が倒壊して住人が死んだ場合、件の大工も殺される。」
これこそ大工の観点からしたら大変なことである。
このように、3770年前のハムラビの時代から現時点まで不法行為に関する法律はそれほど変わっていないと言えるのではなかろうか。
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今後法律に関連した面白い話、役立つ情報などをご紹介していきたいと思っておりますが、ご意見等(記事に関する感想、今後取り上げて欲しい話題などなんでも)ございましたら、気軽にコメントお願いいたします。
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リチャード・ヤング (Richard Young)
ミネアポリス
10/12/2007 12:00:00 午後
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